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堺市の基本情報

堺市は大阪府の南部に位置し、人口約81万人(2024年12月末時点)を擁する大阪府第2の政令指定都市です。堺区・中区・東区・西区・南区・北区・美原区の7区で構成され、北は大阪市と隣接し、南は泉北・泉南地域へと広がっています。古くは「自由都市・堺」として鉄砲・刃物の生産で栄えた国際商業都市の歴史を持ち、百舌鳥古墳群(仁徳天皇陵古墳をはじめとする世界遺産)でも全国的に知られています。

堺市の高齢化率は2024年9月末時点で28.3%、65歳以上の高齢者数は23万129人にのぼります。後期高齢者(75歳以上)は14万333人で総人口の17.3%を占め、特に85歳以上は4万131人(4.9%)と高水準です。65歳以上の要支援・要介護認定率は2024年9月末時点で約19.6%(要支援・要介護認定者が高齢者の約5人に1人)、2025年には認定者数が約5万9,867人(認定率26.2%)に達すると見込まれており、今後も高齢化の進行に伴い介護タクシーの需要は増加する見通しです。

地域別に見ると、1970年代に開発された泉北ニュータウン(南区)の高齢化率が特に高く、2024年12月末時点で37.6%(3人に1人以上が65歳以上)と、市全体の平均を大きく上回っています。ニュータウン全体の平均年齢は52.6歳で、市平均(47.6歳)より5歳高く、槇塚台地区に至っては高齢化率42.5%に達しています。一方、美原区・北区といった郊外や農村部でも高齢化と公共交通の空白地帯の問題が重なっており、介護タクシーが日常的な移動手段として欠かせない役割を担っています。

約81.2万人
人口(2024年12月末)
149.82km²
面積(7区構成)
28.3%
高齢化率(65歳以上)
37.6%
泉北ニュータウンの高齢化率

堺市のタクシー運賃と介護タクシー料金相場

■ タクシー運賃(2025年11月5日改定後)

堺市は大阪府全域と同じ「大阪地区」の運賃が適用されます。2025年11月5日に大阪地区のタクシー運賃が改定され(2023年5月以来約2年半ぶり・改定率10.88%)、現在の上限運賃は以下の通りです。

車種 初乗り距離・運賃 加算運賃 備考
普通車(上限) 1.2kmまで 600円 231mごとに100円 2025年11月5日改定
普通車(一部事業者) 0.969kmまで 500円 各社設定による 初乗短縮運賃(料金水準は同等)
深夜・早朝割増 22時〜翌5時:2割増 全車種共通
障害者割引 身体障害者手帳・療育手帳提示で1割引 乗車前に手帳提示が必要
遠距離割引 9,000円超過分に対して1割引 会社により異なる場合あり

2025年11月改定のポイント

今回の改定で初乗り運賃(600円)は据え置きですが、初乗り距離が1.3kmから1.2kmに短縮されました。また加算距離も260mから231mに短縮されたため、中距離以上の利用では実質的な値上げとなっています。たとえば5kmの移動では改定前に比べて200〜300円ほど高くなる計算です。介護タクシー事業者によっては独自の料金設定がある場合もありますので、利用前に必ず見積もりをお取りください。

■ 主要病院への料金目安

以下は堺市内各地区から主要病院へ介護タクシーを利用した場合の概算料金です。実際の料金は交通状況・迎車料金・介助サービスの有無によって異なります。また介護タクシーは通常のメータータクシーと同じ運賃を適用する事業者が多いですが、介助料・介護サービス料(移送以外の介助)が別途加算される場合があります。

出発地(区) 目的地 目安距離 料金目安 所要時間目安
堺区・南海堺東駅周辺 堺市立総合医療センター(西区) 約5km 約930〜1,300円 約12〜20分
南区・泉北ニュータウン(栂・美木多地区) 堺市立総合医療センター(西区) 約10〜12km 約2,000〜2,600円 約20〜32分
美原区(旧美原町) 堺市立総合医療センター(西区) 約15〜18km 約3,100〜3,700円 約25〜35分
北区・西区(堺泉北臨海工業地帯方面) 堺市立総合医療センター(西区) 約3〜6km 約600〜1,200円 約8〜16分
南区(泉北ニュータウン中心) 近畿大学病院(大阪狭山市) 約8〜12km 約1,600〜2,600円 約16〜26分
堺区・中区(市中心部) 近畿大学病院(大阪狭山市) 約20〜25km 約4,300〜5,500円 約30〜45分
東区・美原区(南東部) 大阪国際がんセンター(大阪市中央区) 約20〜25km 約4,300〜5,500円 約30〜50分

※上記は2025年11月改定後の大阪地区タクシー運賃(普通車上限)を基にしたメーター料金の目安です。深夜・早朝は2割増。迎車料・介助料・高速料金は別途かかります。

堺市の主要病院と介護タクシーでのアクセス

堺市には2015年に救命救急センターを備えた堺市立総合医療センターが開設され、市内で三次救急まで完結できる医療体制が整いました。市内・市外含め、高齢者や障がい者が定期通院・転院に利用する主要な医療機関を以下に紹介します。

病院へのアクセスに関する介護タクシー利用のコツ

堺市立総合医療センターは西区家原寺町に立地しており、市中心部(堺東駅・堺市役所周辺)からは南西方向に約5kmの距離があります。市南部の南区・美原区からは10〜18km程度になるため、往復で4,000〜7,000円以上の費用がかかります。定期通院(透析・がん治療など週複数回の通院)の場合は、介護タクシー事業者と定期契約(定額パック等)を結ぶことで費用を抑えられる場合があります。また近畿大学病院(大阪狭山市)は2027年4月に移転予定のため、現在の通院先の方は移転後のアクセス方法を事前に確認しておくことをお勧めします。

堺市エリア別の介護タクシー利用特徴

堺市は7区から構成される広大な政令指定都市で、区によって地形・高齢化の状況・交通環境が大きく異なります。それぞれのエリアの特徴と介護タクシー利用のポイントをまとめました。

堺区・北区(市中心部・臨海部)

  • 南海本線・JR阪和線・阪堺電軌が通る市の中心エリア
  • 百舌鳥古墳群・堺市役所・商業地が集中
  • 介護タクシー事業者が市内で最も集中する地区
  • 臨海部(北区・西区)は石油化学・鉄鋼の工業地帯
  • 堺市立総合医療センターへは約3〜6km・8〜16分

中区・東区(市中央部・住宅地)

  • 中堺区・東堺区として発展した住宅・商業の混在エリア
  • JR阪和線・南海高野線が利用できる
  • 清恵会病院・阪和記念病院への通院需要が高い
  • 堺市立総合医療センターへは約8〜12km・18〜25分
  • 比較的介護タクシー事業者が豊富で予約が取りやすい

南区(泉北ニュータウン・丘陵地帯)

  • 泉北ニュータウン全域を含む市最大の区(面積)
  • 高齢化率37.6%(市内最高水準・2024年12月末)
  • 泉北高速鉄道(泉ヶ丘・栂・美木多・光明池各駅)が骨格
  • 階段の多い大型団地からの移動に介護タクシーが必須
  • 堺市立総合医療センターへは約10〜15km・20〜32分
  • 近畿大学病院(大阪狭山市)への通院需要も高い

美原区(市最南部・農村地帯)

  • 旧美原町が2005年に堺市に合併した郊外農業エリア
  • 鉄道路線がなく、バス・自家用車が主な移動手段
  • 高齢化が進み、免許返納後の移動手段として介護タクシーへの依存が高い
  • 堺市立総合医療センターへは約15〜18km・25〜35分と遠距離
  • 介護タクシー事業者数が市内他区に比べて少ない傾向
  • 事前予約は2〜3日前には行うことを強く推奨

泉北ニュータウンの団地での介護タクシー利用の特記事項

泉北ニュータウン(南区)は1970年代に造成された大規模団地で、エレベーターのない5階建て階段室型の棟が多数残存しています。介護タクシーを利用する際、棟内の移動(部屋から1階まで)は通常のメーター料金には含まれず、別途「院内・居室内介助」として料金が発生します。事前に「部屋から乗車まで」「病院内の付き添い」などのサービス内容と料金を事業者に確認することが極めてポイントです。また、団地内の駐車場・道路は複雑な構造のため、初めての事業者には詳細な住所(棟番号含む)を必ず伝えてください。

堺市の福祉タクシー助成制度

堺市では、重度障害者(児)の社会参加を促進するために「堺市重度障害者福祉タクシー利用料金助成事業」を実施しています。対象者にタクシー利用券を交付し、タクシー乗車料金の一部を助成します。

堺市重度障害者福祉タクシー利用料金助成

【対象者】堺市に住所を有する在宅の方で、以下のいずれかに該当する方:

  • 視覚・下肢・体幹・心臓・腎臓・呼吸器・ぼうこうまたは直腸・小腸・肝臓・免疫のそれぞれの障害で、身体障害者手帳(1・2級)をお持ちの方(総合1・2級は原則不可。ただし脳血管障害による上肢・下肢総合1・2級で体幹1・2級と同程度と認められる方は対象)
  • 療育手帳(等級A)をお持ちの方

【助成内容】

  • 一般タクシー乗車時:障害者割引適用後の料金から500円を助成(1回の乗車につき1枚使用、料金が500円未満の場合は使用不可)
  • 福祉タクシー(リフト等搭載車両)乗車時:障害者割引適用後の料金から1,000円を助成(料金が1,000円未満の場合は使用不可)

【交付枚数】最大26枚(年度途中の申請の場合は申請時期によって枚数が減ります)

【有効期限】交付年度の3月末日まで(翌年度への持越しは不可)

【利用できるタクシー】堺市と協定を締結している事業者のタクシーのみ使用可能(利用前に乗車できるタクシーであることを確認してください)

【申請方法】区役所の地域福祉課(各区)または堺市電子申請システム(「個人向け手続き」から「タクシー」で検索)で申請できます。電子申請の場合は別途郵送料が必要です。
【問い合わせ】堺市役所 障害支援課(072-228-7411)または各区役所 地域福祉課

助成制度を使いこなすためのポイント

  • 障害者割引との組み合わせが重要:利用券は「障害者割引適用後の料金」からの助成です。乗車時に必ず身体障害者手帳または療育手帳を提示し、1割引を受けた上で利用券を使用してください。手帳を提示しないと利用券が使えません
  • 1回の乗車に1枚のみ:利用券は1回の乗車につき1枚のみ使用可能です。複数枚を1度の乗車に使うことはできません
  • 年度末(3月末)の有効期限に注意:利用券は当該年度末で失効します。年度末が近づいたら余っている利用券の活用を検討してください。再交付は原則として行われません(汚損・破損時は申請可能)
  • 協定締結事業者の確認:堺市のホームページ「堺市重度障害者福祉タクシー利用助成事業協定締結事業所一覧」で利用可能な事業者を事前に確認してください(定期的に更新されます)
  • 介護タクシーと介護保険の組み合わせ:要介護認定を受けている方は、介護保険の「通院等乗降介助」(訪問介護の一環として移送を含むサービス)を使える場合があります。ケアマネジャーに相談して、福祉タクシー利用券との使い分けを検討してください

堺市で介護タクシーを利用する際の注意点

堺市特有の注意事項

  • 泉北ニュータウン・大型団地の棟番号と道路構造:泉北ニュータウン(南区)の団地は棟番号・道路構造が複雑で、特に初めて来る事業者が迷うケースが多くあります。予約時に棟番号や最寄りの目印(集会所・スーパー名など)を合わせて伝えることで、スムーズな乗車が実現します
  • 美原区は事業者が少ない:美原区は鉄道路線がなく、介護タクシー事業者の拠点も市内他区に比べて少ない傾向があります。できるだけ3〜4日前までには予約を行い、複数の事業者に連絡を取ることをお勧めします。市外(大阪狭山市・河内長野市方面)の事業者も利用可能な場合があります
  • 百舌鳥古墳群周辺の渋滞・通行制限:世界遺産の百舌鳥古墳群(仁徳天皇陵古墳など)の周辺では、観光シーズン(春・秋・大型連休)に渋滞や通行制限が発生することがあります。特に堺区・北区の古墳群周辺の病院へのアクセスは、観光シーズンに時間に余裕をもって予約することをお勧めします
  • 臨海工業地帯の道路規制:北区・西区の堺泉北臨海工業地帯では、定期的なタンクローリー・大型トラックの通行・工場内道路利用があり、一般車両が通行制限を受けるルートがあります。事業者に乗降場所の詳細(工場・港湾施設の入口付近など)を詳しく伝えてください
  • 近畿大学病院の2027年移転:現在大阪狭山市に立地する近畿大学病院は、2027年4月に大阪府河内長野市に移転する計画があります。現在通院中の方は、移転後のアクセス方法・費用変化について事前に病院と事業者に確認しておくことをお勧めします

初めて介護タクシーを利用する方へ

堺市で初めて介護タクシーを利用する場合は、堺市役所障害支援課(072-228-7411)または各区役所地域福祉課に相談することで、協定締結事業者リストや助成制度の案内を受けることができます。また、地域包括支援センター(各区に設置)でも介護タクシー事業者の情報提供を受けられる場合があります。かかりつけの医療機関のMSW(医療ソーシャルワーカー)に相談するのも有効な方法です。

区から選ぶ

お住まいの区、または通院先の区をクリックすると、各区ごとの詳しい介護タクシー情報がご覧いただけます。

介護タクシー利用の流れ(堺市版)

  1. 助成制度の確認・申請 身体障害者手帳(1・2級該当の障害種別)または療育手帳(等級A)をお持ちの方は、区役所地域福祉課または堺市電子申請システムで福祉タクシー利用券を申請します。新年度(4月)から申請可能で、申請時期によって交付枚数が変わるため、早めの申請がお得です。要介護認定を受けている方はケアマネジャーにも介護保険タクシーの活用を相談しましょう。
  2. 事業者選定・問い合わせ 堺市との協定締結事業者一覧(堺市ホームページで公開)を参考に、居住区から乗車できる事業者を探します。泉北ニュータウン(南区)・美原区の方は、地域に精通した地元事業者を優先するとスムーズです。福祉タクシー車両(リフト付きワゴン・スロープ付き車)が必要かどうかを事前に確認してください。
  3. 見積もり・予約確定 乗降場所の詳細住所(泉北ニュータウンの場合は棟番号・集会所名なども)・利用者の状態(車椅子の有無・ストレッチャー必要か・医療機器の有無)・目的地(病院名・受付時間)・必要な介助サービス内容を具体的に伝え、料金の目安を確認します。利用券が使えるかどうかも必ず確認してください。
  4. 当日の準備 健康保険証・診察券・お薬手帳・身体障害者手帳または療育手帳(障害者割引・利用券使用に必須)・紹介状(転院・初診の場合)・福祉タクシー利用券(該当者)を準備します。泉北ニュータウンの高層棟では、乗車時間の20〜30分前には1階へ降りておくと余裕が生まれます。
  5. 移動・院内介助 乗車前に手帳を提示して障害者割引(1割引)の適用を受けます。利用券を使用する場合は乗車時にドライバーに提示し、使用可能かどうかを確認します。院内介助を依頼している場合は受付から診察室まで付き添ってもらえます。堺市立総合医療センターは敷地・建物が広大なため、院内での車椅子移送も依頼しておくと安心です。
  6. 帰宅・料金支払い 診察後は事前に連絡した時刻に合わせて迎車を依頼します(帰りの時間が読めない場合は、終了次第電話連絡できる体制を整えておきましょう)。現金またはクレジットカードで支払い。福祉タクシー利用券は乗務員に提出し、差額を支払います。

堺市の医療・福祉環境と介護タクシーの役割

堺市は2015年に堺市立総合医療センターが救命救急センターを開設するまで、市内に三次救急病院がなく、重篤な患者は大阪市・大阪狭山市等の近隣病院に搬送されていました。現在は同センターを中心に「一次から三次まで堺市内で完結できる救急体制」が整いつつありますが、近畿大学病院(現・大阪狭山市)への高度専門医療(がん・移植等)の依存は依然として高く、市南部・東部の住民にとって定期通院の距離・費用が課題となっています。

介護タクシーは、特に泉北ニュータウン(南区)・美原区・北区北部など、鉄道駅から遠い地域の高齢者・障がい者の通院に欠かせない移動手段です。泉北ニュータウンでは高齢化率が37.6%を超え、5階建て棟のエレベーター改修が進んでいるものの、完了していない棟も残存しています。こうした「団地内移動の困難さ」に対応できる経験豊富な事業者を選ぶことが、利用者の安心・安全に直結します。

堺市では介護保険制度に基づく「通院等乗降介助」と、障害福祉制度の「移動支援」、そして市独自の「重度障害者福祉タクシー利用券」の3つの制度が存在します。それぞれ対象者・使える事業者・利用できる範囲が異なるため、ケアマネジャー・相談支援専門員・地域包括支援センターと連携して、自分の状況に最適な組み合わせを見つけることが費用削減・サービス充実のカギとなります。また堺市は福祉有償運送事業者(NPO・社会福祉法人等による移送サービス)の登録も一定数あるため、遠距離・定期通院の方は複数の手段を組み合わせて活用することをお勧めします。

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