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香川県の介護タクシー事情

香川県は面積が全国最小(1,876km²)でありながら、高松市(人口約41万人)を中心に丸亀市・坂出市・東かがわ市・観音寺市・三豊市などの中規模都市が狭い県土にコンパクトに配置されています。2025年の高齢化率は約33.7%(全国水準をやや上回る)で、介護タクシーへの需要は高い水準にあります。

高松市はJR四国の拠点駅や高松空港を擁し、交通アクセスが比較的整っています。高松市内では複数の介護タクシー事業者が稼働しており、24時間対応の民間救急事業者もいます。一方、香川県ならではの課題として、瀬戸内海の有人離島(小豆島・直島・豊島・女木島・男木島・粟島など)における介護タクシーの確保があります。

香川県のタクシー運賃は「香川地区(本土の大部分)」と「香川島嶼部地区(小豆島・直島など)」に分かれており、2023年にそれぞれ異なる時期に運賃改定が実施されています。香川地区の改定は消費税引き上げ時を除けば15年ぶりで、初乗り運賃が最大110円値上がりしました。

🍜 うどん県・香川の独自性:観光渋滞と瀬戸内の離島群

「うどん県」として知られる香川県は年間を通じて観光客が多く、善通寺・琴平(金刀比羅宮)・小豆島・直島(アート島)などは週末・連休に交通が混雑します。特に金刀比羅宮(仲多度郡琴平町)の参道周辺は急勾配で道が狭く、介護タクシーの車両やルートの確認が必要です。一方で、三豊市の粟島(高齢化率60%超・全国有数の高齢化離島)のように介護移送インフラが深刻に不足している離島も抱えています。

香川県の介護タクシー料金相場

介護タクシーの料金は、通常タクシーと同じメーター運賃(距離・時間制)に、介助料・機材使用料・迎車料などが上乗せされる仕組みです。タクシー運賃部分は一般のタクシーと同じ料金体系が適用されます。香川県は「香川地区」と「香川島嶼部地区」の2区分があります。

タクシーメーター運賃(2023年改定後・上限運賃)※介護タクシーもこの運賃に介助料等が加算されます

地区 対象エリア(普通車) 初乗り運賃 加算運賃 改定日
香川地区 高松市・丸亀市・坂出市・善通寺市・東かがわ市・三豊市・観音寺市・さぬき市など本土の大部分 1.5kmまで 750円 260mごとに 80円 2023年3月6日〜
香川島嶼部地区 小豆郡(小豆島町・土庄町)・香川郡直島町など離島部 1.5kmまで 650円 257mごとに 100円 2023年8月25日〜

車種別料金(香川地区・2023年3月改定後)

車種 初乗り運賃 加算運賃(距離) 時間距離併用 時間制(30分)
普通車 1.5kmまで 750円 260mごとに 80円 1分45秒ごとに 80円 3,050円
大型車 1.5kmまで 800円 210mごとに 90円 1分25秒ごとに 90円 4,150円
特定大型車(ジャンボ等) 1.5kmまで 850円 197mごとに 90円 1分20秒ごとに 90円 4,400円
2023年3月改定で香川地区の普通車は大幅値上げ

改定前(〜2023年3月5日)は「小型車640円・中型車650円」の2区分でしたが、改定後は「普通車750円」に統一・値上げされました。加算運賃も従来より距離が短縮(260mごと80円)されたため、中長距離では加算回数が増え実質的な値上がりになっています。この改定は消費税引き上げ時を除けば15年ぶりでした。

割増・割引制度

区分内容条件・備考
深夜早朝割増2割増22時〜翌朝5時
身体障がい者割引1割引身体障害者手帳を提示・本人確認
知的障がい者割引1割引療育手帳を提示・本人確認
寝台車割増2割増(事業者による)ストレッチャー使用時

料金例

ケース1:車椅子で高松市内を片道5km通院(介護保険適用)

ケース2:ストレッチャーで丸亀市内の病院間を転院(片道8km・自費)

ケース3:三豊市・観音寺市から高松市内の大病院まで通院(片道約50km・車椅子・自費)

助成制度(高松市の2種類の助成券と注意点)

高松市には「障害者福祉タクシー助成券」と「高齢者福祉タクシー助成券」の2つの制度があります。対象者・金額・介護タクシーへの使用可否が大きく異なります。

⚠️ 重要:高齢者福祉タクシー助成券は介護タクシーに使用できません

高松市の「高齢者福祉タクシー助成券」は、高松市の公式サイトで「介護保険の訪問介護として利用するタクシー(いわゆる介護タクシー)に乗車する場合は、使用できません」と明記されています。介護タクシーに助成券を使用したい場合は「障害者福祉タクシー助成券」の対象かどうかを確認してください。2制度はどちらか一方のみ受給できます。

高松市①:障害者福祉タクシー助成券

項目内容
対象者①身体障害者手帳1〜2級、②療育手帳マルA・A、③精神障害者保健福祉手帳1〜2級、④車椅子補装具利用者(1〜4級)、⑤電動車椅子補装具利用者(1〜2級)のいずれかに該当する高松市在住の方。18歳以上は本人・配偶者ともに市民税非課税が条件。
助成額(1枚あたり)2級・A:460円、1級・マルA・車椅子・電動車椅子:530円、じん臓1級(人工透析):620円
タクシー割引との併用手帳提示による1割引との併用が可能
介護タクシーへの使用使用可能(日本版ライドシェア対応事業者も含む)
申請・問い合わせ高松市障害福祉課(TEL:087-839-2361)または高松市身体障害者協会

高松市②:高齢者福祉タクシー助成券

項目内容
対象者(5条件すべて必要)①65歳以上で高松市内に住所、②一人暮らしまたは高齢者のみの世帯、③在宅生活(入院中・特養・老健入所は不可)、④要介護1〜5の認定、⑤本人・配偶者ともに市民税非課税
助成内容年度内有効の助成券15枚。1枚あたり750円(身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳等の持参者は670円)
介護タクシーへの使用使用不可(介護保険の訪問介護として利用するタクシーには使用できない旨が明記)
申請頻度年度ごとに申請が必要(前年度申請者も再申請必要)
申請・問い合わせ高松市長寿福祉課(TEL:087-839-2346)。窓口・郵送申請可。
2制度の選び方:両方に当てはまる場合はどちらが有利?

65歳以上で要介護認定を受けており、かつ身体障害者手帳等を持っている場合は、どちらか一方しか受給できません。障害者福祉タクシー助成券は介護タクシーに使用可能で、人工透析の場合は1枚620円の助成が受けられます。一方、高齢者福祉タクシー助成券は1枚750円と金額は高いですが介護タクシーには使用できません。ご自身の状況に合わせて高松市の各担当窓口に相談して選択してください。

その他の市町の助成制度

市町制度の概要申請先
丸亀市・坂出市・善通寺市・さぬき市など各市独自の重度障がい者向けタクシー利用助成制度あり。内容は各市により異なる各市障害福祉担当課
三豊市・観音寺市・東かがわ市など障がい者向けタクシー料金助成。市によっては高齢者向け助成も別途設定各市役所福祉担当課
小豆島町・土庄町・直島町など離島島内の社会福祉協議会や町独自の移動支援が中心。タクシー利用助成も設定されている場合あり各町役場または社会福祉協議会
介護保険の「通院等乗降介助」も活用しましょう

要介護1〜5の認定を受けた方が訪問介護事業所の介護タクシーを利用する場合、「通院等乗降介助」として介護保険が適用できる可能性があります。この場合、乗降介助の費用の1〜3割が自己負担(運賃は全額自費)となります。高松市は訪問介護事業所も多く、介護保険対応の介護タクシーが比較的見つけやすい環境です。ケアマネジャーに相談してケアプランに組み込んでもらいましょう。なお、高松市の高齢者福祉タクシー助成券は介護保険タクシーに使用できないため、介護保険との組み合わせを検討する際は注意が必要です。

香川県の離島における介護タクシー

香川県は瀬戸内海に多数の有人離島を抱えており、介護タクシーの確保が重要な課題となっています。

離島人口・高齢化本土へのアクセス介護タクシーの利用環境
小豆島(小豆島町・土庄町) 人口約2万4,000人。高齢化率約45% フェリー・高速船で高松・岡山・神戸へ。高松まで約60〜80分 島内に介護タクシー事業者あり。台数少なく早めの予約が必要
直島(香川郡直島町) 人口約3,100人。高齢化率約38% フェリー・高速船で高松・宇野(岡山県)へ 観光客が多いが島内は狭く事業者が限られる
豊島(小豆郡土庄町) 人口約750人。高齢化率約50%超 フェリーで高松へ約60分、宇野(岡山)へ約30分 専門事業者の確保が課題。社会福祉協議会の移送支援が重要
女木島・男木島(高松市) 女木島:約100人、男木島:約170人 フェリーで高松港へ約20〜35分 島内に専門事業者はなし
粟島(三豊市) 人口約200人。高齢化率約60%超(全国有数) 船(須田港)で本土へ約30分 専門事業者なし。介護移送インフラが深刻に不足
粟島(三豊市):高齢化率60%超・全国でも最高水準クラスの離島

三豊市に属する粟島は人口約200人のうち高齢者が60%を超えており、全国有数の高齢化離島です。島内に介護タクシーの専門事業者はなく、医療機関への通院は本土の三豊市・観音寺市の事業者と連携するか、社会福祉協議会の移送支援を利用するしかない状況です。介護移送インフラの整備が急務の地域です。

よくある質問

Q. 香川県の介護タクシーの料金相場はいくらですか?

介護タクシーの料金は通常タクシーと同じメーター運賃に介助料・機材使用料などが上乗せされます。香川地区(高松市・丸亀市・坂出市など)の普通車タクシーの上限運賃は初乗り1.5kmまで750円・加算260mごとに80円(2023年3月6日実施)です。車椅子で高松市内を片道5km通院した場合、介護保険適用で約3,000〜3,500円が目安です。

Q. 高松市の「障害者福祉タクシー助成券」と「高齢者福祉タクシー助成券」の違いを教えてください。

どちらか一方のみ受給できます。障害者福祉タクシー助成券は身体障害者手帳1〜2級等が対象で1枚あたり460〜620円、介護タクシーにも使用可能です。高齢者福祉タクシー助成券は65歳以上・要介護1〜5・市民税非課税等の条件を満たす方が対象で年間15枚・1枚750円ですが、介護タクシーには使用できません。

Q. 高松市の「高齢者福祉タクシー助成券」は介護タクシーに使えますか?

いいえ、使用できません。高松市の公式サイトで「介護保険の訪問介護として利用するタクシー(いわゆる介護タクシー)に乗車する場合は、使用できません」と明記されています。介護タクシーに助成券を使用したい場合は、障害者福祉タクシー助成券の対象要件を確認してください。

Q. 小豆島や直島など離島でも介護タクシーを利用できますか?

利用できますが事業者が限られます。小豆島(小豆島町・土庄町)には島内の介護タクシー事業者がいますが台数が少なく早めの予約が必要です。豊島・粟島(高齢化率60%超)などは専門事業者がなく、本土の大病院通院はフェリー・高速船と組み合わせる形になります。

Q. 小豆島地区と香川地区でタクシー料金は違いますか?

異なります。香川地区(本土の大部分)は2023年3月6日改定で初乗り1.5km・750円・加算260mごと80円です。香川島嶼部地区(小豆島・直島など)は2023年8月25日改定で初乗り1.5km・650円・加算257mごと100円となっています。

香川県で介護タクシーを利用する際の注意点

1. 高松市の高齢者福祉タクシー助成券は介護タクシー不可

高松市の「高齢者福祉タクシー助成券」は介護タクシーには使用できません。これを知らずに助成券を用意しても現場で使えないトラブルが起きます。介護タクシーに助成を使いたい場合は「障害者福祉タクシー助成券」の対象要件を事前に確認してください。

2. 香川地区と島嶼部地区の料金体系の違いを確認

小豆島・直島など離島では「香川島嶼部地区」の運賃(初乗り650円・加算257mごと100円)が適用されます。本土の「香川地区」(初乗り750円・加算260mごと80円)と異なります。移動区間がどちらの地区に属するかを確認することが大切です。

3. 金刀比羅宮・善通寺周辺の観光渋滞に注意

琴平町(こんぴらさん)・善通寺市の観光シーズン(春・秋・週末)は周辺道路が混雑します。また金刀比羅宮参道は急勾配で狭い道路があり、車椅子や特殊車両では進入できない区域があることも覚えておいてください。

4. 介護保険適用の可否をケアマネジャーに確認

要介護認定を受けている方が訪問介護事業所の介護タクシーを使う場合、乗降介助に介護保険が適用できる可能性があります。高松市には訪問介護事業所が多く、介護保険対応の介護タクシーも見つけやすい環境です。ただし高齢者福祉タクシー助成券は介護保険タクシーには使えないため、どちらの制度を使うかを整理してください。

5. 障害者福祉タクシー助成券は1割引との併用が可能

高松市の障害者福祉タクシー助成券は、身体障害者手帳・療育手帳提示による1割引との併用が可能です(高松市公式サイト明記)。1割引を先に適用した後に助成券を使用することで、移動費用の自己負担を効果的に抑えられます。

香川県の主要都市

香川県内の主要都市について、より詳しい情報は各都市別ページをご覧ください。

その他の市町(善通寺市・さぬき市・東かがわ市・三豊市・観音寺市・小豆郡小豆島町・土庄町・香川郡直島町・木田郡三木町・綾歌郡宇多津町・綾川町・仲多度郡琴平町・多度津町・まんのう町)については、各市町の福祉担当課やケアマネジャーに対応事業者をご相談ください。